チャートが見せるフラクタル性の面白さ

マトショーリカのようなフラクタル図形

仏の数学者ブノワ・マンデルブロ氏(1924-2010)が考案したフラクタルの概念は、非常にユニークです。フラクタル図形は「部分が全体と同じ形となる自己相似形」として知られますが、自然界の至るところで見られます。シェルピンスキーの三角形やコッホ曲線、メンガーのスポンジなどで知られますが、ロシアのお土産「マトリョーシカ」も近いかもしれません。

そのほかにも、有名なところでは海岸線、山の稜線、川の流れ方、雲、動物の肺、葉っぱ、都市構造などなど。よりよく観察しようと思って拡大を繰り返しても同じパターンが繰り返されるだけで、では俯瞰しようとして縮小を繰り返しても結局同じパターンが繰り返されるという不思議な構造体です。突き詰めて考えると目眩を起こしそうになりますが、こうした構造は物理学だけでなく、気象、天文、地理、地学、統計、水理、医療、植物、動物、社会といった多くの現象で観察することができます。研究者の中には原子構造と太陽系の構造の類似性までをも取り上げ「宇宙はすべてフラクタルだ」という方もいるほどです。

宇宙

実は金融市場のチャートにも「フラクタル」はあてはまります。試しにどの金融商品でもかまわないので、週足、日足、1時間足のラインチャートあたりを同じA4の紙にプリントアウトさせて観察してみてください。どうでしょうか、時間軸を隠してしまうと、どれがどれだか、まるで分かりませんよね。このように大きくしても小さくしてもその「形が不変」であるものが「フラクタル」です。

チャートを日線で見るのは本当に意味があるのか

時間軸に関係なく、チャートの構造が不変であるということは、時間足での値動きの分析は、ボラティリティが異なるだけで、日足でも、週足でも有効だということになります。時間が長くても短くても繰り返される上下波形の多重構造には違いがないことから、フラクタル図形はスケール不変(スケールフリー)ともいわています。通常、テクニカル分析にハマったチャーチストは、

「13日線より21日線だ」
「200日線が重要だ」

と期間(パラメータ)にとらわれてカーブフィッティングの罠に陥りがちですが、フラクタルによる幾何学的なとらえ方をすると、こうした時間に沿った線形分析の限界と幾何学的な非線形分析の可能性からチャート分析に違った側面が見えてくることもあります。

宇宙空間の超マクロな構造まで、フラクタルで説明ができる構造体は実にたくさんあります。こういうとすぐ「神秘だ~」「不思議ね~」とオカルトな目で見てしまいがちですが、実際のところは、人間の目がようやく、自然に追いついてきただけのことだと思います。

自然

自然は読んで字のごとく「自ら然り」ですから、その振る舞いには「無理」がありません。
逆に言えば、無理のなく、違和感もない相似形の構造体こそがフラクタルともいえます。

さてさて、自然がおりなす、無理のない構造には共通の法則性が見られる場合が結構あります。それは黄金比です。近似値が1:1.618で表される黄金比ですが、線分で言えば

a:b=b:(a+b)

が成り立つ関係です。この比率は、線分をどんどん切り刻んでいっても変わりません。黄金比はフラクタルの定義である「自己相似形」を満たしているのです。ただし、フラクタル構造のすべてが黄金比に従っているわけではないので、黄金比の法則はフラクタル構造の中の一形態に過ぎないと思いますが、親和性が極めて高いということはいえると思います。

フィボナッチ数列もフラクタルな側面を持つ

金融市場のチャート分析にフィボナッチ数列を用いる手法がありますが、フラクタル構造を持つチャートへのアプローチ方法としては、あながちオカルトとは言い切れない面がありそうです。フラクタルと黄金比の親和性について考察する際に用いられるフィボナッチ数列について少し触れておきます。

フィボナッチは12世紀にイタリアで活躍した天才数学者の名前です。彼は商人であった父親とともにアラビア諸国をめぐり、「算盤の書」という書物を通じて、アラビア数学を始め、利子や除算、簿記などの考え方をヨーロッパに持ち込みました。

さて、その彼にちなんだフィボナッチ数列ですが、簡単にいえば、0から順番に出てくる整数を二つ足していく数列です。

0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233…

ご覧いただいて分かるように「どの数字もその前の数字2つを足した数」になってますね。この数列がおもしろいのは、ある項でその次の項を割ると、黄金比1.618の近似値が得られることです。

13÷8=1.625

89÷55≒1.6181

144÷89≒1.6179

この数列は自然界のいろいろな場面で見られ、花びらや果実の房、種子の数などに驚くほど正確なフィボナッチ数を見ることができます。よくアナリストのレポートなどで「38.2%戻し」や「61.8%水準」といった数字を見かけることがありますが、この数字は、黄金比とフィボナッチ数列に基づくものです。

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