FXに挑むならGPIFの動きにも注意した方がよいですよ

2018年現在、世界最大の機関投資家があるのはどこの国?

突然ですが、クイズです。「2018年現在、世界最大の機関投資家があるのはどこの国でしょうか?」

世界地図

答えは~~~「日本」です!

ベテラントレーダーにとっては常識かとも思いますが意外と知らない方もいるのでクイズにしてみました。そもそも「機関投資家」とはお客や制度利用者からお金を預かって運用する大口投資家を指します。具体的には生命保険、損害保険、銀行、年金基金、政府系金融機関などですね。一昔前は生命保険の動向に一喜一憂していた時代もありましたが、クイズにもした「2018年現在、世界最大の機関投資家」は日本の「年金積立金管理運用独立行政法人」(Government Pension Investment Fund)。通称「GPIF」です。

世界最大っぷりはケタ外れで、2011年の段階での運用資産は2位のノルウェー政府年金基金の倍以上とされ、2016年現在では約132兆円を保有しています。元々が国民の年金積立金なので、減らされると国民にしわ寄せがくるのですが、前身組織の年金資金運用基金からの自主運用実績では53兆円のプラスになっていますので、とりあえずはうまく行っているといえるでしょう。自主運用といっても、GPIFに132兆円を動かす敏腕トレーダーがいる訳ではなく、国内外の金融機関に投資信託の形で分散委託されており、GPIFのサイトで詳細を公表しています。

GPIFは原資が年金ということもあり、「長期安定運用」を第一にしていますが、いかんせん世界一の巨大ファンドなのでわずか1%の資産が動くだけでも1兆3000億円規模になり、とにかくインパクトが大きいです。国内株式だけを見ても、有名企業の多くで筆頭株主として君臨しており、日銀と合わせると、アベノミクスによる日本国内株式上昇は公的機関の買い支えの影響が色濃く表れているといっても過言ではありません。資産の運用比率が決まっているので、株価が下がれば下がるほど買い増ししていくことになり、ひとたび世界的な金融危機が起きてしまうとイタリアやギリシャを笑えないほどのドツボにはまってしまう恐れがある、と専門家から再三指摘されてはいたりりもしますが…。

GPIFのポートフォリオはどうなっているんだろう

資産の運用比率が決まっているといいましたが、GPIFの公式サイトによると、2018年2月現在のポートフォリオは
国内債券:35%
国内株式:25%
外国債券:15%
外国株式:25%
となっています。6割も国内向けに注ぎ込んでいる形ですが、ここでFXトレーダーであれば「あれ? 外国債券や外国株式って、外国為替関係なくない?」と思いますよね。いえいえ、実は関係大ありです。GPIFの原資は「わたしたち日本国民の年金積立金」、つまり「日本円(JPY)」です。GPIFが委託している金融機関がGPIFの方針に沿って、外国債券や外国株式を新規に購入する際は「GPIFから円(JPY)を預かって、ドル(USD)を買います」。

ドル
なにせ1%でも1兆円超の規模を誇るGPIF様のドル買いですから、大きな円安ドル高(USD/JPYの上昇)の流れにつながります。逆に買い入れしている債権の満期や償還、あるいは保有株の配当、売却益があると、ドルを売って円を買うので、USD/JPYの下落になります。NYダウ平均が下落した際などにドル高になるケースもあり、よく「アメリカ経済の不透明性が増しているのになぜドルが買われるんだ」と疑問の声を聞くこともありますが、タイミングによってはGPIFなど、アメリカ以外の機関投資家が下落したNY株の保有率をおのおのの運用方針比率に合わせるため、ドルを買ってNY株を買い入れる動きが出ているため、ドル高になるケースもたぶんに含まれているともいわれています(その一方でNY株を損切りしてドルを手にしたアメリカ以外の投資家が自国通貨に交換することも想定されるので、完全にリンクしているわけではありませんが)

GPIFのような機関投資家は過度に積極的な運用をせず、頻繁にポートフォリオを組み替えたりもしませんので、動向をさほど注視する必要もないのですが、各国とも会計年度初めには国内、国外の投資比率を見直したり、金融機関を通じた新規投資に乗り出したりしますから、若干注意が必要です(GPIFの動向は春先になると、ニュースにも取り上げられることがあります)。

GPIFのニュースが出たからといって、すぐに為替相場が10円も20円も動いたりはしませんが、ヘッジファンドなどが材料視して買い仕掛け、売り仕掛けを挑んでくることは否定できません。プロの為替ディーラーになると、チャート分析によって「あ、この買いはGPIF絡みだ」と分かるそうですが、一般投資家にはなかなか判定がつきません。ただ、GPIFという巨人が動くと、底流として一定方向に値動きが続くことが確定的になる局面が多いので、安易な逆張りを挑むと、とんでもない大やけどをしてしまうので、注意が必要です。

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