今日はプライベートエクイティのセットアップ方法について書いてみたいと思います。
ステップ1:投資家を見つける
まずはファンドにお金を出してくれる人がいないと始まりませんね。
投資家を説得する為にもまずは自分(達)で出資しましょう。
ファンドマネージャーもSame Boatの観点からも必ず出資を求められます。
僕たちの場合は退職金からお金を出し合いました。
ここで重要な問題が持ち上がってきます。
『どうやって投資家をみつけるのか』
アプローチの方法は2つだと思います
a.自分たちのこれまでの人生で出会った人達にお金をだしてもらえないかどうか
b.証券会社にお願いする
aはいわゆる『コネ』ですね。
bは募集要綱を作り上げる必要があるので、めちゃくちゃ面倒です。
できれば最初に入ってくれる投資家は信頼のある投資家が良いと思います。
この人(会社)が投資しているなら儲かるはず。うちも出資しましょう。
と雪崩のように投資家が集まるケースがベストです。
年金だと関西の方のガス会社が有名です。
僕たちの場合はアメリカの投資家1名にお金を出してもらいました。
実質エンジェル投資に近い形だったので、『独立を応援してくれた』形になりました。
アメリカの金持ちは日本の金持ちとは次元が本当に違いますので、出てくる金額も違います。
ステップ2:ファンドをセットアップする
ファンド、ファンドと言っていますが、オフショアのLLCを設立して、出資してもらうだけです。
法律が簡単で、税金が安いケイマンあたりがべたです。 弁護士事務所はMaples&Calderがいいでしょう。香港の事務所まで行って打ち合わせをする必要がありますが、諸経費に織り込んでおきましょう。
その他、税務会計周りをアウトソースする先が必要ですが、投資家の基準に合わせて大手を選んでおけば問題ありません。
ステップ3:ファンドマネジメント契約を締結する
投資を募るときに、投資の条件はこれ、報酬はこれ、成功報酬はこう、再投資は何%など諸々の条件を詰めてピッチするのですが、大体AUM(Asset Under Management、預かり資産)の1%位がベースの報酬で、成功報酬は利益の20%位です。
えげつないファンドだと基本報酬が高かったり、成功報酬に寄せてあったりします。
基本報酬がAUMの1%ということは、
10億集めて1,000万円
30億集めて3,000万円
50億集めて5,000万円 となってきます。
この基本報酬でオフィスの家賃や人件費をカバーします。
成功報酬は10億増えたらその2割の2億が成功報酬になりますが、2億まるっとボーナスでもらう事は出来ずに、50%位はファンドに再投資します。
そうしないと、『来年負けるの?え?自信ないの?』と投資家が感じるので、突っ込むわけです。
実際に翌年パフォーマンスが良かったら投資元本に対しての配当などもあるのでホクホクになってきますし、その年の成功報酬もあるので、運用成績が良ければ、大体ホクホクになります。
つまりプライベートエクイティとかヘッジファンドって?
投資家のお金をお預かりして、運用するビジネスなのですがストラクチャーは非常にシンプルです。
個人の兼業トレーダーとの決定的な違いは、AUMを増やす事を目的にしているので、今日トレードで勝ったら出金しよう、明日お金がないからお金を出そうという事がないということです。PEのトレーダーはPEを設定した時点で基本的な報酬は確保されますので、お金に悩むことなくトレードとポートフォリオの管理に集中できます。
次回の雑記ではPEの人がやっている事にさらっと述べてみたいと思います。